2011年10月18日火曜日

企画書の書き方

企画書の書き方には、いろいろな流儀があると思う。
僕は21年前に、コンサルティングの師匠・故H師から、企画書の書き方を教わった。
故H師曰く、「コンサルティング企画書は『ニーズの確認と解釈』という項目から始めよ。」
クライアント企業はどのような業種・業態、戦略、風土の会社か。
クライアントが、解決すべき課題と考えているものは何か。そして、真に解決すべき課題は何か。
クライアントが解決すべき課題と考えているものと、真に解決すべき課題とは、必ずしも同じとは限らない。
それを的確に捉えて提示することができれば、コンサルティングの目的の半分くらいは成し遂げたようなものだ、と。
コンサルタントの腕は、企画書の『ニーズの確認と解釈』を読めば、だいたい分かる、と。

もちろん、課題を正確に把握し定義しただけでは足りず、その課題をどうやって解決するかを提案しなければならないわけだが、まずは、課題把握なくして課題解決などありえない。
その意味で、故H師の指摘はもっともで、課題把握は力量差がでやすい部分であることも確かだ。

今はコンサルティングの世界でもRFPを提示されることが増えてきたようだが、昔は、なんのドキュメントもなしに初対面のクライアントと1時間くらい雑談!?をして、企画書を書き、コンペに臨む、というのが普通だった。
クライアントからいかに情報を引き出すかというインタビュー技術が問われる側面もあるものの、契約成立まではあまり情報を出さないという方針の場合、あるいは、そもそも必要情報が整理されていない場合なども珍しくはなく、たいていの場合は、クライアントの言葉をファクツとコメントに切り分け、その会社がおかれている背景を踏まえて、真の課題把握に向けて推論を組み立てることになる。


今は人事コンサルティングとは少々毛色がちがうIT系の企画書を出す立場にいるわけだが、だんだんと、基本は変わらないなぁと思えてきた。

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