2011年9月13日火曜日

社内報

学校を卒業して最初に就職した電機メーカーでは、企画管理部、というところに配属された。
企画管理部は経営企画と人事企画を主管し、社内報も同部で編集していた。

入社2年目に社内報担当になった。先輩女子社員と2人で企画、取材、執筆、レイアウト・・といった一連の仕事を担当していたのだが、最初はあまり好きな仕事ではなかった。
もともと僕はコーポレート部門志向ではなく、ビジネス部門に関心があった。
正直、「社内報かぁ・・」と思った。

僕の前任者は1年先輩のWさん、非常に個性的なユニークな人物だった。そのユニークさを語りはじめるときりがないので止めておくが、僕が社内報担当になって2ヶ月目くらいたった頃だったろうか、Wさんは僕に言った。

「藤井くん、君は社内報の企画よりも商品企画をやりたいみたいだけれど、社内報は経営の重要課題を取り上げて全社員に啓蒙する仕事なんだよ。一人ひとりのやる気が5%上がって、成果が5%上がれば、全社業績が5%上がるんだぞ」

「社員をケイモウ・・・・ですか・・・」

ほとんど歳も変わらないWさんの言葉は新鮮だった。
もう28年前になるあの時のことは今もはっきり覚えている。

今日、某社の社内報を見て、昔のことを思い出した。
もしかすると、あの時のあの言葉がなければ、今の僕もないのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿