今日、とあるお客様から、大企業の賃金モデルが欲しいという話があった。
さて、何に使うんだろうか? 大企業とは一体どこのことを指しているんだろう? 等々、いろいろ疑問はあったが、それはそれとして・・
賃金センサスのような統計は公開されているが、現実問題としては、ある特定の会社の賃金モデルを手に入れることはきわめて難しい。基本的に、賃金モデルを社外に公開する会社は、めったにないといってよい。
賃金モデルが低ければ、「この先がんばってもこの程度か」と従業員のモチベーションを落としてしまうかもしれない。
賃金モデルが高ければ、「こんな高給を支払っているのに、われわれ取引先に対しては・・」と世間の不要な反発を招くかもしれない。
どちらに転んでも、それほどよいことはない。
人事コンサルティングをやっていると、当然、クライアントのモデル賃金を目にすることになるが、正直なところ、モデル賃金だけを見たところで、基本的に賃金水準が高めか低めかくらいは分かるにしても、それほど多くのことが読み取れるわけではない。
そのためには、どのような人事制度体系なのか、昇格運用は、評価運用は、賃金制度は、といったいくつかの情報との付け合せが必要だ。
とくに定期昇給制度の廃止や縮減にともなって、年齢別の賃金モデルなどは、ほとんど意味がなくなってきている。これから、日本の高齢化とともにこの傾向はさらに強まるに違いない。
明日は今日より賃金が高い、と多くの人が確信できた、古きよき時代はおそらく戻らない。
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